EXOシウミン出演トラブル

EXOのメンバーであるシウミン(XIUMIN)が、最近KBSのラジオ番組「イ・ウンジの歌謡広場」に出演したことが話題になっています。
しかし、その背景には彼の音楽番組出演をめぐるトラブルがあり、これが議論を呼んでいます。

このトラブルは、彼の所属事務所INB100とKBS、そしてかつての所属事務所SMエンターテインメント(以下、SM)との関係に起因する複雑な問題です。
ここでは、シウミンの出演トラブルについて、わかりやすく詳細に解説します。

1. トラブルの発端:ソロアルバム「Interview X」のプロモーション

シウミンは2025年3月10日に、2年6ヶ月ぶりとなるソロアルバム「Interview X」をリリースしました。
このアルバムは、彼がSMを離れ、新たに設立した事務所INB100でソロ活動を本格化させる重要な一歩でした。


ファンとの再会を果たすため、音楽番組への出演が期待されていましたが、ここで問題が浮上します。
INB100は、シウミンが音楽番組を通じてファンに素敵なステージを披露できるよう、KBSを含む放送局と打ち合わせを試みました。
しかし、KBS側が連絡に応じなかったり、明確な回答を避けたりする状況が続いたと主張しています。これがトラブルの最初の火種となりました。

2. KBSの非公式な対応:「SMアーティストとの共演は不可」

さらに問題を複雑にしたのは、KBSが非公式に伝えたとされる立場です。
INB100によると、KBS関係者は「『ミュージックバンク』など、SMエンターテインメント所属のアーティストが出演する番組に、シウミンが同時出演するのは不可能」と伝えてきたといいます。


シウミンは現在、個人活動やEXO-CBX(チェン、ベクヒョン、シウミンのユニット)の活動をINB100で行い、EXOのグループ活動はSMで行うという二重契約の形態を取っています。
このため、KBSがSMとの関係性を理由にシウミンの出演を制限した可能性が指摘されました。
INB100はこれを「特定事務所との利害関係による不公正な行為」と強く批判しました。

3. SMとINB100の過去の対立

このトラブルの背景には、SMとINB100の間に横たわる緊張関係があります。
2023年、シウミンを含むEXO-CBXのメンバー3人(チェン、ベクヒョン、シウミン)は、SMとの専属契約をめぐる争いを経て、INB100に移籍しました。
この際、SMは彼らの移籍が「タンパリング」(契約終了前の他社との接触)によるものだと主張し、対立が表面化しました。


一方、シウミン側は、SMがアルバム流通手数料の不履行や売上の不当な要求を行ったとして不信感を募らせていました。
このような過去の因縁が、KBSの対応に影響を与えた可能性も考えられます。
INB100は、SMが裏で圧力をかけた結果、シウミンの出演が阻まれたのではないかと疑っているようです。

4. KBSの反論:「事実無根」

INB100の主張に対し、KBSは即座に反論しました。
2025年3月5日、KBSは「シウミンの出演拒否は事実無根であり、制作陣は現在もINB100と連絡を取っている」と発表しました。
KBS側は、INB100が主張するような一方的な拒否や無視はなかったとし、あくまで通常の調整プロセス中であると説明しています。


しかし、INB100は「連絡が無視された」「非公式に共演不可の方針が伝えられた」と具体的な事例を挙げており、双方の言い分に食い違いが見られます。
この食い違いが、問題をさらに混乱させ、ファンやメディアの間で議論を巻き起こしました。

5. 波及効果:他のアーティストにも影響

このトラブルはシウミンだけに留まらず、INB100の関連アーティストにも影響を及ぼしました。
例えば、INB100の親会社One Hundred傘下のBig Planet Madeに所属するイ・ムジンは、KBSの人気コンテンツ「リムジンサービス」の収録をボイコット。
さらに、同じくBig Planet Made所属のイ・スグンが出演する「何でも聞いて菩薩」の収録も中止になりました。


これらの動きは、INB100側がKBSへの抗議として意図的に出演を控えた可能性を示唆しています。
シウミンのケースが、他のアーティストにも連鎖反応を引き起こし、KBSとの対立が拡大している状況です。

6. MCモンの激怒とSMへの攻撃

INB100の親会社One Hundredの共同設立者であるMCモンは、この状況に激しく反応しました。
2025年3月5日、彼はInstagramでSMを名指しで非難する投稿を行い、「君たちは野蛮で暴力的」「すべてバラしてやろうか」と怒りを爆発させました(投稿は後に削除)。


MCモンは、SMの幹部であるイ・ソンスCAOやタク・ヨンジュン代表を批判し、彼らが音楽業界で不当な影響力を振るっていると主張しました。
この発言は、SMがKBSに圧力をかけたというINB100側の疑念を裏付けるものとして、注目を集めました。

7. 「イ・ウンジの歌謡広場」出演の意義

こうした騒動の中、シウミンが2025年3月19日にKBSのラジオ番組「イ・ウンジの歌謡広場」に出演したことは大きな意味を持ちます。
この番組はKBS 2FMで放送される人気ラジオ番組で、音楽やトークを通じてアーティストがファンと交流する場です。


当初、音楽番組「ミュージックバンク」への出演が困難とされたシウミンにとって、ラジオ出演はKBSとの関係修復の第一歩、あるいはファンとの約束を果たす代替手段とも捉えられます。
しかし、テレビ出演が叶わない状況が続く中でのラジオ出演は、問題が完全に解決したわけではないことを示唆しています。

総評

シウミンの出演トラブルは、単なるスケジュール調整の失敗ではなく、事務所間のパワーバランスや放送局の利害関係が絡んだ複雑な問題です。
INB100はKBSの対応を「不公正」と訴え、SMの影響力を暗に批判していますが、KBSはこれを否定し、事実関係の溝は埋まっていません。


この状況は、シウミンのソロ活動だけでなく、EXOや他のアーティストの将来にも影響を与える可能性があります。
ファンにとっては、シウミンが「イ・ウンジの歌謡広場」で声を発信できたことは喜ばしい一方、テレビでのパフォーマンスが見られない現状に不満が残ります。

解決策としては、KBSとINB100が透明な対話を行い、SMとの関係を明確化することが求められます。
また、シウミン自身がラジオや他のメディアを通じて積極的にファンと繋がる姿勢は、彼のプロ意識の高さを示しており、今後の活動に期待が寄せられます。
議論は続いていますが、シウミンの音楽とファンを思う気持ちが、この困難を乗り越える力になることを願うばかりです。