ブラインド韓国ドラマ

韓国ドラマ『ブラインド』概要

『ブラインド』(原題:블라인드、英題:Blind)は、2022年9月16日から11月5日まで韓国のtvNで放送された全16話のミステリー・サスペンスドラマです。
平凡な市民が巻き込まれる事件と、不都合な真実を隠してしまう加害者たちの姿を描いた作品で、正義とは何か、真相とは何かを問いかける重厚なストーリーが特徴です。


監督は『ボイス4』のシン・ヨンフィ、脚本は『アンダンテ』のクォン・ギギョンが担当し、制作はSTUDIO DRAGONとFantagioが手掛けています。
主要キャストには、2PMのオク・テギョン(リュ・ソンジュン役:正義感溢れる刑事)、ハ・ソクジン(リュ・ソンフン役:ソンジュンの兄で冷静沈着な裁判官)、Apinkのチョン・ウンジ(チョ・ウンギ役:情熱的な社会福祉士)が名を連ね、脇を固める俳優陣も豪華です。

日本ではLeminoやWOWOWプライムで配信・放送されており、ミステリーファンから注目を集めました。
以下に、視聴率、肯定的意見、批判的意見、そして総評を詳しくまとめます。

視聴率情報

『ブラインド』の視聴率は、韓国での放送時における全国平均(ニールセンコリア調べ)を基にしています。
初回放送は3.38%でスタートし、これが自己最高視聴率となりました。


その後、視聴率は2%台で推移することが多く、第5話で記録した1.78%が自己最低視聴率です。
最終回は3.13%でフィナーレを迎え、全体的に低めの数字で推移しました。

同時期に放送された『わずか1000ウォンの弁護士』という大ヒットドラマとの競合が影響したとされ、またミステリー系の特性上、途中からの視聴者が増えにくいことも視聴率低迷の一因と考えられます。
なお、本作は元々OCNでの放送が予定されていた犯罪・ミステリー色の強い作品であり、tvNの視聴層とはややミスマッチだった可能性もあります。
OCN基準ではまずまずの数字とも言えますが、tvNの期待値には届かなかった結果となりました。

ブラインドのOSTまとめ

チョン・ホンイル「Days In The Dark」

キム・イェジ「Who Is The Sinner」

GA EUN「Blind」

Nerd Connection「I’m Lost」

パク・スジン「Face On Me」

肯定的な意見

『ブラインド』は、そのストーリー展開やキャストの演技力において多くの視聴者から高評価を受けています。以下に具体的な肯定的意見を挙げます。

緻密で引き込まれるストーリー展開

幼少期の「兄弟福祉院事件」を軸に、現在の連続殺人事件が絡み合う構成が「予測不能で面白い」と絶賛されています。サスペンスらしい緊張感と、次々と明らかになる伏線回収が視聴者を惹きつけ、「一気見してしまう中毒性がある」との声が多数。特に終盤の展開は意外性に富んでおり、「結末が予想と違って印象に残った」と評価されています。

キャストの演技力の高さ

オク・テギョンの熱血刑事役は「正義感と人間味が絶妙に表現されている」と好評で、彼のアクションシーンも見どころの一つ。ハ・ソクジンは裁判官役で「冷静かつ知的な雰囲気が出ていて素晴らしい」と称賛され、兄弟役としてのケミストリーも「もっと見たい」と支持されました。チョン・ウンジの安定感ある演技も「感情移入しやすい」と高く評価され、脇役陣の個性的な演技も作品に深みを加えているとされています。

ミステリーとしての独自性

韓国の犯罪捜査ドラマでは珍しく、犯人を推理するプロセスが丁寧に描かれており、「単純な善悪ではない複雑な心理描写が良かった」との意見が目立ちます。実在の「兄弟福祉院事件」をモチーフにした社会的なテーマ性も、「考えさせられるドラマ」と支持されました。

演出と映像美

暗いトーンの映像や緊迫感ある演出が「サスペンスらしい雰囲気を作り出している」と好評。残忍なシーンもストーリーに必要不可欠と捉えられ、「怖いけど目が離せない」と感じる視聴者が多いです。ポスターやビジュアルデザインも「作品のテーマを象徴していて秀逸」と称賛されています。

没入感と感情移入

「登場人物全員に共感できる部分がある」「悪役にも感情移入してしまった」という声が多く、単なるエンタメを超えた人間ドラマとしての魅力が評価されています。特に兄弟愛やトラウマの克服といったテーマが心に響いたとの感想が寄せられています。

批判的な意見

一方で、『ブラインド』には否定的な意見や改善点を指摘する声も存在します。以下に具体的な批判をまとめます。

視聴率に見合うほどの盛り上がりの欠如

視聴率が低迷したように、「話題性や人気に欠ける」と感じた視聴者も。同時期の競合作品に押され、「もっと注目されても良かったのに残念」との声が散見されます。特にtvNの視聴者層には重すぎるテーマだったとの指摘も。

ストーリーの長さと冗長さ

全16話の中で「中盤がダレる」「展開が遅い」と感じる意見が複数。特にミステリーの謎解きに時間がかかりすぎる点や、殺人事件が次々と発生する展開が「リアリティに欠ける」「無理やり感がある」と批判されました。

残忍なシーンの多さ

暴力的な描写や猟奇的なシーンが頻出するため、「見ていて辛い」「好みが分かれる」と不快感を示す視聴者も。サスペンス好きには受け入れられても、一般的なドラマファンにはハードルが高いとの声が上がっています。

キャラクター設定のツッコミどころ

一部の登場人物の行動や判断が「非現実的」「納得いかない」と指摘されています。特に警察や裁判所の描写に「ありえないミスが多い」と感じる視聴者もおり、リアリティを求める層には物足りなかったようです。

結末への賛否両論

意外性のあるラストは肯定的に受け取られる一方で、「唐突すぎる」「伏線回収が不十分」と不満を漏らす声も。真犯人の動機や背景に納得できない視聴者もおり、「もう少しスッキリした終わり方が良かった」との意見が聞かれました。

総評

『ブラインド』は、ミステリー・サスペンスとしての独自性とキャストの演技力で一定の支持を集めた作品ですが、視聴率や万人受けという点では苦戦した印象があります。
肯定的意見では、緻密なストーリーや感情に訴えかけるテーマ性、俳優陣の魅力が際立ち、「ミステリー好きにはたまらない傑作」との声が強いです。
特にオク・テギョン、ハ・ソクジン、チョン・ウンジのトリオは、それぞれの役柄を見事に演じ切り、ファンにとっては満足度の高いドラマと言えるでしょう。


一方で、批判的意見にあるように、残忍な描写やストーリーの冗長さ、視聴者層とのミスマッチが課題として浮かび上がり、「万人に勧めにくい」と感じる部分も否めません。
視聴率は低めながら、口コミでは「隠れた名作」と評価する声もあり、ニッチなジャンルを好む視聴者には刺さる作品です。

総じて、『ボイス』や『ホームタウン』のようなダークな韓国ドラマが好きな人には強くおすすめできる一方で、軽い気持ちで見たい人には向きにくいかもしれません。
深い余韻を残すドラマを求めるなら、一度は観て損のない作品と言えるでしょう。