
BTSジョングクの軍務中の身元詐欺事件をわかりやすく解説
BTSのメンバーであるジョングク(本名:チョン・ジョングク)が、韓国での兵役義務を果たしている最中に身元詐欺の被害に遭った事件が、2025年3月22日にメディアで報じられ、大きな話題となりました。
この事件は、ジョングクが所有するHYBEの株式約84億4000万ウォン(約5億7600万円)相当が不正に操作されたもので、K-POP界のトップスターが軍務中に狙われた衝撃的な事例として注目されています。
ここでは、事件の経緯、法的対応、容疑者に関する情報、そしてジョングクの株式がどのようにして盗まれたのかを詳しく解説し、最後に総評をお届けします。
1. 事件の経緯:軍務中の隙を突いた犯罪
ジョングクは2023年12月12日にBTSのメンバーであるジミンとともに韓国軍に入隊し、5師団新兵教育隊で基礎訓練を受けた後、本格的な軍務を開始しました。
事件が発生したのはそのわずか1か月後の2024年1月6日。この時期、ジョングクは軍務に専念しており、自身の金融資産を直接管理する余裕がない状況でした。
報道によると、2024年1月6日、身元不明の人物がジョングクの名前を使って3つの証券口座を不正に開設。
これらの口座を利用して、ジョングクが保有していたHYBE株33,500株を無断で移動させました。
このうち33,000株(約83億1600万ウォン、2024年1月5日の終値基準)はジョングク名義の新たな証券口座に移され、残りの500株(約1億2600万ウォン)は第三者に売却されました。
総額約84億4000万ウォンに上るこの詐欺行為は、ジョングクが軍務で不在の間に実行された計画的な犯罪と考えられています。
事件が発覚したのは、ジョングクや所属事務所BigHit Musicが不審な取引に気づいた後のこと。
すぐさま口座の凍結や被害の最小化が図られましたが、すでに一部の株式が第三者の手に渡っており、完全な回復には時間がかかる状況となりました。
2. 法的対応:ジョングクと事務所の迅速な行動
ジョングクとBigHit Musicは、事件発覚後ただちに法的措置に乗り出しました。
2024年3月、ジョングクは500株を購入した第三者に対して民事訴訟を提起し、株式の返還を求めました。
この訴訟では、ジョングクが身元詐欺の被害者であり、株の譲渡契約が無効であることが争点となりました。
2025年2月、ソウル西部地方裁判所はジョングクの主張を認め、「有効な株式譲渡契約が存在せず、ジョングクは身元詐欺の被害者である」と判決を下しました。
裁判所は第三者に対し、500株の返還を命じました。第三者は「善意の取得」(盗品を不知で購入した者を保護する法原則)を主張しましたが、裁判所は「株主の身元確認を怠った過失がある」としてこの主張を退けました。第三者は当初控訴しましたが、2025年3月に控訴を取り下げ、判決が確定しました。
一方、BigHit Musicは声明で「事件発覚後、速やかに口座凍結と元の所有権の回復を行い、さらなる被害を防いだ。また、アーティストの個人情報やデバイスのセキュリティ対策を強化した」と発表。
法的対応と並行して、再発防止策を講じていることを強調しました。
3. 容疑者情報:未だ特定されない謎の人物
この事件で最も注目されるのは、ジョングクの身元を盗んだ主犯が誰なのかという点です。
2025年3月22日時点で、主犯は特定されておらず、捜査は継続中です。
容疑者がジョングクの銀行口座番号、身分証明書、銀行パスワードといった詳細な金融情報を把握していたことから、「ジョングクの身近な人物が関与しているのではないか」との憶測が広がっています。
証券会社関係者は「犯人はジョングクの金融情報にアクセスできただけでなく、株式だけでなく現金の移動も試みていた」と証言。
こうした手口から、ファンの間では「マネージャーやスタッフなど、ジョングクの個人情報を扱う立場にいた人物が怪しいのでは?」との声も上がっています。
しかし、具体的な証拠や容疑者の手がかりは公表されておらず、警察の捜査結果が待たれる状況です。
4. ジョングクの株はどうやって盗まれたのか?
ジョングクのHYBE株が盗まれた手口は、身元詐欺と金融システムの悪用によるものでした。具体的には以下のステップで実行されたとみられます。
個人情報の入手
容疑者はジョングクの身分証明書(パスポートや住民登録番号など)、銀行口座情報、パスワードを取得。これらは通常、本人や信頼できる関係者しか知り得ない情報です。
不正口座の開設
ジョングクの名義で3つの証券口座を偽造書類やデジタル認証を悪用して開設。オンラインでの口座開設が可能な現代の金融システムの脆弱性が利用された可能性があります。
株式の移動と売却
開設した口座を使って、ジョングクが保有する33,500株を操作。33,000株を新口座に移し、500株を第三者に売却。この際、第三者への売却代金として約2万USDT(テザーという暗号通貨)が使われたことが判明しています。
隠蔽工作
犯人はジョングク名義の口座を利用することで、取引が本人によるものと装う意図があったとみられます。しかし、ジョングクが軍務中で取引に関与できない状況だったため、不正が露見しました。
この手口は高度な知識と準備を要するものであり、単なるハッカーではなく、内部情報にアクセスできる人物が関与した可能性が高いとされています。
5. 事件の影響とファンの反応
この事件は、BTSやジョングクのファン(ARMY)にとって大きな衝撃でした。
SNS上では「ジョングクが軍務で頑張っているのに、こんな目に遭うなんて許せない」「犯人が身近な人だったら裏切りがひどすぎる」といった怒りや悲しみの声が飛び交いました。
一方で、「BigHitの対応が早くてよかった」「ジョングクが無事に軍務を終えて戻ってきてほしい」と前向きな意見も見られます。
経済的には、ジョングクの資産の一部が一時的に失われる危機に瀕しましたが、法的対応により大部分は回復。
HYBEの株価への直接的な影響は限定的でしたが、企業のセキュリティ体制に対する懸念が浮上するきっかけとなりました。
6. 総評:スターの弱点を突いた悪質な犯罪
BTSジョングクの軍務中の身元詐欺事件は、K-POPアイドルが置かれる特殊な環境と、軍務という不在期間の脆弱性を浮き彫りにした出来事です。
ジョングクが軍務に専念している間に、信頼していたかもしれない人物によって裏切られた可能性がある点は、特に心を痛める部分です。
84億ウォンという巨額の資産を狙った計画性と大胆さは、犯人の悪質さを物語っています。
法的には、ジョングクとBigHit Musicの迅速な対応が功を奏し、被害の拡大を防ぎました。
しかし、主犯が特定されていない現状は、事件の全貌解明への課題を残します。
ファンの間では「ジョングクを守るためにもっと厳重な対策が必要」との声が強く、今後、芸能界全体でのセキュリティ強化が求められるでしょう。
ジョングクは2025年6月に除隊予定であり、ファンとしては彼が無事に軍務を終え、再びステージで輝く姿を見られる日を心待ちにしています。
この事件が彼のキャリアに暗い影を落とさないことを願うばかりです。