青春ウォルダム

「青春ウォルダム」(原題:청춘월담、英題:Our Blooming Youth)は、2023年2月6日から4月11日まで韓国のtvNで放送された時代劇ドラマで、パク・ヒョンシクとチョン・ソニが主演を務めました。
ミステリーとロマンスが融合したストーリーで、呪いに苦しむ世子と殺人の濡れ衣を着せられた女性が互いを救うために奮闘する姿が描かれています。

以下に視聴率情報、肯定的な意見、批判的な意見、そして総評を詳しくまとめます。

視聴率情報

「青春ウォルダム」は初回視聴率4.21%でスタートし、まずまずの滑り出しを見せました。しかし、2話以降は3%台で推移し、16話では自己最低の3.24%を記録。一方で最終回(20話)では自己最高視聴率4.87%をマークし、終盤に向けて若干の盛り返しを見せました。tvNの平日ドラマとしては3~4%台は平均的な数字であり、爆発的なヒットとは言えないものの、安定した視聴者層を維持したと言えます。なお、この視聴率はケーブルテレビ局であるtvNの特性上、民放ドラマのような10%超えを期待する基準とは異なり、ニッチな視聴者層を対象とした作品としては悪くない結果です。

青春ウォルダムのOSTまとめ

CHEEZE「이 내 맘」

ジョンホ(ATEEZ)「바람」

ジャネット・スー「닮아있죠」

JAEMAN「바래요」

パク・ヒョンシク「몽우리」

肯定的な意見

1. キャストの演技力とケミストリー

パク・ヒョンシク演じる世子イ・ファンと、チョン・ソニ演じるミン・ジェイのコンビが多くの視聴者から高評価を受けています。特にパク・ヒョンシクの世子役は「品格と脆さが共存する演技が素晴らしい」と称賛され、彼の時代劇適性が際立っていました。チョン・ソニの男装姿や聡明なキャラクターも「新鮮で魅力的」と好評で、二人の信頼関係が築かれていく過程に感動した視聴者が多いです。また、脇を固めるユン・ジョンソク(ハン・ソンオン)やピョ・イェジン(チャン・ガラム)もストーリーに深みを加え、全体のバランスが良かったとの声が目立ちます。

2. ミステリーと青春要素の融合

「青春ウォルダム」は単なるロマンス時代劇ではなく、呪いや殺人事件を軸にしたミステリー要素が強みとされています。視聴者からは「ハラハラする展開と青春らしい爽やかさが絶妙にマッチしていた」「謎解きが面白く、最後まで引き込まれた」との意見が多く、予測不能なストーリー展開が楽しめたようです。特に、呪いの真相や連続殺人事件の背後にある陰謀が徐々に明らかになる過程は「脚本が緻密で満足度が高い」と評価されています。

3. 映像美とOST

朝鮮時代を舞台にした美しいセットや衣装、色彩豊かな映像が視聴者の目を楽しませました。「時代劇らしい風情が感じられる」「映像だけで見る価値がある」との声が上がっています。さらに、パク・ヒョンシクが歌うOST「青春賦」など、ドラマの雰囲気を盛り上げる音楽も好評で、「感情を揺さぶる素晴らしい選曲だった」との感想が寄せられています。

4. コメディタッチの軽快さ

重いテーマを扱いながらも、随所にユーモアが散りばめられており、「コメディとシリアスのバランスが絶妙」「肩肘張らずに見られる」と好意的な意見があります。特にチャン・ガラムやキム・ミョンジンといったキャラクターのコミカルな掛け合いが、視聴者に笑いと癒しを提供しました。

5. 初心者にも優しい時代劇

宮廷劇特有のドロドロした権力争いや複雑な人間関係が控えめで、「時代劇初心者でも入りやすい」「爽やかな印象で気軽に楽しめた」との声があります。全20話という長さも「一気見しやすい」とポジティブに捉えられており、幅広い層に受け入れられた点が強みです。

批判的な意見

1. ストーリーのテンポと長さ

展開がゆっくりで「中盤がダレる」「じれったい」と感じた視聴者が一定数います。20話という尺に対して「内容が薄く、15話くらいで十分だったのでは」との指摘もあり、ミステリーの解決やロマンスの進展が遅いことが不満につながったようです。特に後半は「盛り上がりに欠ける」「冗長に感じた」との声が散見されます。

2. ロマンス要素の物足りなさ

ミステリーに比重が置かれているため、「ロマンスが薄い」「キュンとするシーンが少ない」と期待外れに感じた視聴者もいます。イ・ファンとミン・ジェイの関係が友情寄りに描かれ、恋愛感情が明確になりにくい点が「物足りなかった」「もっと甘い展開を期待した」と批判されました。

3. タイトルのミスマッチ

「青春ウォルダム」というタイトルから、もっと明るくポップな青春ドラマを想像していた視聴者が「思ったより重い」「青春というよりミステリー」とギャップを感じたようです。主要キャストが30歳前後であることも「青春というには無理がある」と指摘されており、タイトルと内容のズレが不評の一因となっています。

4. 偶然やご都合主義の多さ

物語の中で偶然の一致や都合の良い展開が目立つとの批判があります。例えば、ミン・ジェイが男装で簡単に宮廷に潜入できたり、重要な手がかりが都合よく見つかったりする点が「リアリティに欠ける」「強引すぎる」と感じられました。これがミステリーとしての緊張感を損なったとの意見もあります。

5. 最終回の物足りなさ

最終回で全ての謎が解けたものの、「処刑シーンが怖くて不要」「結末があっさりしすぎ」との声が上がっています。また、一部の伏線が回収されず「続編ありきなのか」と疑問を抱く視聴者もおり、締めくくりにカタルシスを感じられなかったとの感想が見られます。

総評

「青春ウォルダム」は、パク・ヒョンシクとチョン・ソニの魅力的な演技、ミステリーと青春要素のユニークな融合、そして美しい映像と音楽で多くの視聴者を惹きつけました。
視聴率は初回4.21%から最終回4.87%と安定し、tvNの平日ドラマとしてはまずまずの成功を収めたと言えます。
肯定的な意見では、キャストのケミストリーやストーリーの新鮮さが高く評価され、時代劇初心者にも親しみやすい軽快さが支持されました。


一方で、批判的な意見ではテンポの遅さやロマンスの薄さ、タイトルのミスマッチが課題として挙げられ、完璧な満足度には届かなかった印象です。
総合的に見ると、このドラマは重厚な時代劇や濃厚なラブストーリーを求める人には物足りないかもしれませんが、ミステリーと軽いロマンスを楽しみたい視聴者には十分魅力的な作品です。
視聴率が爆発的に伸びなかったのは、競合ドラマとのタイミングやテーマのニッチさが影響した可能性があります。

それでも、キャストのファンや気軽に楽しめる時代劇を求める層にはおすすめできる一本であり、再視聴で伏線に気づく楽しみもある奥深いドラマと言えるでしょう。
続編への期待も寄せられていることから、今後の展開にも注目が集まりそうです。