赤い風船 韓国ドラマ

22年から23年にTV朝鮮で放送された韓国ドラマの「赤い風船」です。
主演にソ・ジヘ、イ・ソンジェ、ホン・スヒョン、イ・サンウ、チョン・ユミン。

連続ドラマっぽい雰囲気だけど、20部作のミニシリーズです。
1話80分ぐらいあるので、長いドラマではありますが・・・。

赤い風船のOSTまとめ

キム・ヨンジ 「빨간풍선」

BEIGE「그대만이 내게 전부니까요」

ZIA「사랑 그 말은 못하고」

Ali「연인」

キム・ドンヒョン「사랑을 끊었다」

Gunji「사랑에 목마르다」

チョン・ドンハ「내 가슴에 살아」

赤い風船の視聴率は?

初回から3.7%とまずまずの視聴率でスタートしていますね。
その後も順調に視聴率を伸ばしています。
18話で二桁突破、最終回20話で自己最高視聴率11.56%を記録し有終の美を飾りました。




最終回の視聴率はTV朝鮮のドラマ史上3番目に高い数字になります。
非地上波で二桁突破ですから、大ヒットと言える数字を残しましたね。

赤い風船の評価は?

今作は大物脚本家であるムン・ヨンナム作家の作品になりますね。
家族劇ではありますが、ピカレスクジャンルにもなります。
そしてマクチャン系のドラマになるわけですが・・・。

特徴としては不倫ドラマであることがあげられます。
そしてムン・ヨンナム作品にしては暗い雰囲気という特徴があるようですね。

キャラ設定がよく、キャストの演技も良いので没入度が高く人気の出たドラマです。
特にホン・スヒョンの評価が高い。(特に15話の長セリフは伝説)

残念なのは急展開で最終回の結末を迎えてしまったところです。
よって謎が残ったところもあるみたいですね。
なによりも不倫美化が懸念されているドラマなので、その点は好き嫌いの分かれるところ。




それでも面白いのは面白いドラマとして評価されていますね。
不倫美化もドラマの中の話と思えば、気にならない人も多いでしょう。

ムン・ヨンナム作家の前作「オーケー、グァン姉妹」よりも評価は高いですしね。
キャストも渋くていい感じですし、興味があるなら見てみると良さそうなドラマです。

赤い風船の感想や口コミのまとめ

肯定的な意見

1. キャストの演技力

ソ・ジヘの演技が特に高く評価されています。主人公チョ・ウンガンとして、内面に秘めた欲望や葛藤を繊細に表現し、視聴者を物語に引き込む力がありました。彼女の二面性のあるキャラクターを魅力的に演じ切った点が称賛されています。
ホン・スヒョンも、ハン・バダ役で圧倒的な存在感を示しました。親友との関係が壊れていく過程での感情の爆発や、複雑な心理描写が視聴者に強い印象を残しました。
イ・サンウやイ・ソンジェを含む他のキャストも、ドロドロとした人間関係をリアルに演じ、特にベテラン俳優たちの安定感がドラマ全体のクオリティを支えました。

2. ストーリーの緊張感と中毒性

友情、嫉妬、不倫、欲望が絡み合う展開が「手に汗握る」と評され、一度見始めると続きが気になって止まらない中毒性があると好評です。特に、序盤から徐々に膨らむウンガンの秘めた感情が爆発する瞬間は見どころとされています。
予測不能な展開が続き、「次に何が起こるか分からない」というスリリングな要素が視聴者を引きつけました。愛憎劇らしいドロドロ感が好きな人にはたまらない内容だったようです。

3. 視聴率と話題性

最終回で11.6%という高い視聴率を記録し、非地上波ドラマとしては異例の成功を収めました。韓国での話題性も高く、特に愛憎劇ファンの間で盛り上がりを見せました。
SNS上でも「泣けた」「ラストが意外と感動的だった」といった声があり、視聴率の高さが物語の魅力を裏付けています。

4. 音楽と演出

主題歌「赤い風船」をはじめとするOSTがドラマの雰囲気を盛り上げ、感情的なシーンをより印象深くしました。視聴者からは「音楽がシーンにぴったりで涙を誘う」との意見が多数。
演出も丁寧で、登場人物の心理を映し出すカメラワークや色彩の使い方が好評。特に赤い風船を象徴的に用いたビジュアルが、欲望や脆い関係性を効果的に表現しているとされました。

5. テーマの深さ

「相対的剥奪感」という現代社会で多くの人が共感できるテーマを扱っており、欲望や嫉妬が人間関係をどう変えるかをリアルに描いた点が評価されています。単なる不倫ドラマではなく、人間の弱さや脆さを掘り下げた作品として支持されました。

批判的な意見

1. 不倫を美化する結末への不満

最終回でウンガンとチャウォンが再会し、ハッピーエンドを迎えたことが大きな批判を呼びました。特に韓国では、不倫を肯定的に描く結末に「道徳的に受け入れられない」と感じる視聴者が多く、主婦層を中心に強い反発がありました。
「不倫の末に幸せになるなんてありえない」「現実的ではない」との声が上がり、物語のリアリティを欠くと感じた人も少なくありませんでした。

2. 登場人物への共感の難しさ

主人公ウンガンが親友の夫と不倫し、友人の家庭を崩壊させる行動を取るため、「自己中心的すぎる」「応援できない」と批判されました。欲望に忠実すぎる姿勢が視聴者に不快感を与えたケースも。
他の登場人物も不倫や裏切りを繰り返すため、「誰も幸せにならない」「全員がうるさい」と感じる視聴者もいました。特に子供たちが巻き込まれる展開には「可哀想すぎる」との同情が寄せられました。

3. 序盤のスローペース

序盤の展開が遅く、ホームドラマのような雰囲気が続くため、「退屈で視聴をやめそうになった」という意見が散見されました。ドロドロ展開を期待していた視聴者には物足りなかったようです。
物語が本格的に動き出すまで我慢が必要で、途中で脱落した人もいたとの声があります。

4. 過剰なマクチャン要素

マクチャン(韓国の過激なドラマジャンル)らしい誇張された展開や、複雑すぎる人間関係が「現実離れしている」と批判されました。不倫や裏切りが多すぎて「疲れる」と感じる人も。
特に家族間のドロドロした関係や、デザイン流出などのサブプロットが詰め込まれすぎており、「話が散漫」との指摘もありました。

5. チャウォンの魅力不足

不倫相手のコ・チャウォン(イ・サンウ)に「なぜ惹かれるのか分からない」と感じる視聴者が多く、彼のキャラクターに深みが欠けるとの意見が目立ちました。ウンガンやバダが彼を巡って争う理由が曖昧に感じられたようです。

総評

「赤い風船~絡み合う糸~」は、韓国ドラマらしいドロドロとした愛憎劇を求める視聴者には満足度の高い作品と言えるでしょう。
ソ・ジヘをはじめとするキャストの卓越した演技力と、スリリングで中毒性のあるストーリー展開が最大の魅力です。
特に、欲望や嫉妬といった人間の暗部をリアルに描いたテーマ性は、深い共感や考察を呼び起こす力を持っています。
視聴率の高さや話題性からも、その完成度とエンターテインメント性は証明されています。また、音楽や演出のクオリティも高く、感情を揺さぶるシーンが多い点も見逃せません。


一方で、不倫を肯定的に描いた結末や、共感しにくいキャラクター設定、序盤のスローペースなど、批判的な意見も無視できません。
特に道徳的な観点から不快感を抱く視聴者が一定数おり、万人受けする作品ではないかもしれません。
マクチャン要素が強すぎるゆえに、リアリティやバランスを求める人には受け入れづらい部分もあるでしょう。
また、主要キャラクターの一人であるチャウォンの魅力が薄いと感じられた点は、物語の説得力をやや損なっている印象です。


総合的に見ると、このドラマは「愛憎劇が好き」「ドロドロした展開を楽しみたい」という視聴者には強くおすすめできる作品です。
しかし、「爽快感やハッピーエンドを求める」「現実的なストーリーを重視する」という人には合わない可能性があります。
好みが分かれるドラマではありますが、その強烈な個性と感情を揺さぶる力は、一度は体験する価値があると言えるでしょう。
視聴するなら、覚悟を持ってドロドロの世界に飛び込む気持ちで楽しむのがベストです。